クラブ史上初のJ2降格した名古屋が、96年途中まで監督を務めたアーセン・ベンゲル氏(67=現アーセナル監督)を“アドバイザー”として再建を目指す方針であることが4日、分かった。久米一正社長(61)が降格決定から一夜明けたこの日、親会社のトヨタ自動車に辞任を伝えて了承された。関係者によれば今後、ベンゲル氏に接触し、来季クラブ編成の助言を求める方針。監督選定や外国選手の補強面でも同氏の意向を強く反映させる。

 久米社長の辞任により、ジュロブスキー監督とDF闘莉王らの退団が決定的。東京が獲得に乗り出しているFW永井の流出も濃厚になった。今後はベンゲル氏に新監督の推薦を求め、来季編成に着手する考えだ。1年でのJ1復帰は絶対条件。名門再建への道は、プレミアリーグのアーセナルで約20年にわたって指揮を執る、世界的名将に委ねることになった。

 この日、愛知・豊田市内のクラブハウスを訪れた久米社長は「1年で必ずJ1に戻って欲しい。長期的ビジョンの中で、こつこつとやってもらいたい」と語った。今季は7勝9分け18敗の年間16位。93年のJ発足時から参戦してきた名門が、OBのベンゲル氏の助言を受けて生まれ変わることになる。